ジェラ神父/Father Żera
ジェラ神父/Father Żera
概要
パッチ 2021.10.29 のアップデートで追加された 2人目の長剣使いである. Zera と Żera の2通りの表記があり, 統一されていない. 本稿では後者に則して「ジェラ神父」と表記している.
錯乱し, 足取りのおぼつかない長剣使いの自称神父である. ただのアル中だと思われたが, 追加されたアーケードモードのテキストから, 自分が神に遣わされた騎士の生き残りかなにかだという妄想に囚われている危険人物であることが示唆されている.
特性
イザベッラよりもコマンドを覚えやすく, 比較的シンプルで使いやすい長剣使いである. 長剣の間合いを学ぶ機会になるだろう. イザベッラ同様対角線上の攻撃に合わせて左右の足が切り替わり, コマンドも変化する. また, 全体的に酔拳みたいなフラフラした姿勢である. しかし一方で剣の軌道はそこまで変則的ではなく, 多くの動きは古いドイツの長剣術に則している.
構えの種類が多く, ロングガード以外にも,
- 剣を頭上で垂直に突き上げる『聖なる』構え
- 剣を肩で担ぐような『屋根』の構え
- 腕を下げ, 剣が垂れ下がった『愚者』の構え
の3つの構えを持つ. しかし現時点ではこれらの構え時の特殊なコマンドはほぼ1つづつしかないし, あまり利点のある技とも思えないので, 使う機会は限られるだろう.
一番の弱点は, 防御姿勢に難があることだろう. 全体的に長い剣を活かしていない姿勢になっており, 攻撃の補足に失敗しやすい. 特に 方向の攻撃に対して, なぜか
方向の防御をそのまま右上にずらしたような姿勢になるため, 攻撃を受け損ねやすい. 第二の弱点はフットワークである. 歩行速度がやや遅く, 静止状態でもふらふら動いており, 歩行中も速度にむらが発生する. 一方で左右ステップは大きく動けるので, 回避にも回り込み攻撃にも使える. その他, 突き攻撃が少なく, なおかつ隙の大きな別の攻撃コマンドが暴発しやすいという弱点がある.
自分は左右に振るくせに左右の振りを想定してない防御姿勢になっている
一見使いにくいキャラクターに見えるかもしれないが, 太刀筋はイザベッラより素直で覚えやすい. 特に, 左右移動しながらの で発生する水平斬り (zwerchau?) は出しやすい割に多くのキャラクターの自動防御に対して押し込みやすいので便利である. 既に書いたように防御姿勢もザルなので, 長剣が得意とする間合いを保つことを徹底する必要がある.
コマンド
名称 | 概要 | コマンド | |
---|---|---|---|
左足が前 | 右足が前 | ||
通常時 | |||
Combo 1 |
|
|
|
Combo 2 |
|
|
|
Combo 3 |
|
|
|
Combo 4 |
|
|
|
Repeater |
|
|
|
To Back up |
|
|
|
Up and Thrust |
切り上げ中に突きに変化 |
|
|
Top Repeater |
|
||
Sidestep Combo 1 |
|
|
|
Sidestep Combo 2 |
|
|
|
Backing Combo 1 |
|
||
Backing Combo 2 |
|
||
Kee Stab |
膝狙いの突き |
|
|
Leg Swipe |
下段狙いの払い |
|
|
Doubledown |
|
||
Up and Down |
|
||
Mower |
|
||
Spearhead |
2撃目は突き |
|
|
Sidestep Combo 3 |
|
||
Sidestep Combo 4 |
|
||
Sidestep Combo 5 |
|
||
Go Around |
|
||
ロングガード時 - スペース or LT 押しっぱなし | |||
Trust |
|
||
Roof Guard |
|
||
Fool’s Guard |
|
||
Roof Guard |
|
||
Fool’s Guard |
|
||
『上段』の構え時 ( |
|||
Thrust |
|
||
『聖なる』構え時 ( |
|||
Holy Whip |
|||
Holy Spear |
|||
『屋根』の構え時 ( |
|||
Big Chop |
|
|
|
Fool’s Guard |
『愚者』の構えへ移行 |
|
|
『愚者』の構え時 ( |
|||
Scissors |
|
|
|
共通コマンド | |||
Autoblock |
攻撃しないでいる |
攻撃しないでいる |
|
Taunt |
|
|
|
Grab |
|
|
|
Push |
|
|
名称 | 概要 | コマンド | |
---|---|---|---|
左足が前 | 右足が前 | ||
通常時 | |||
Combo 1 |
|
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|
Combo 2 |
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Combo 3 |
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Combo 4 |
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Repeater |
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To Back up |
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Up and Thrust |
切り上げ中に突きに変化 |
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Top Repeater |
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Sidestep Combo 1 |
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Sidestep Combo 2 |
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Backing Combo 1 |
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Backing Combo 2 |
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Kee Stab |
膝狙いの突き |
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Leg Swipe |
下段狙いの払い |
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Doubledown |
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Up and Down |
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Mower |
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Spearhead |
2撃目は突き |
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Sidestep Combo 3 |
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Sidestep Combo 4 |
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Sidestep Combo 5 |
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||
Go Around |
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ロングガード時 - スペース or LT 押しっぱなし | |||
Trust |
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Roof Guard |
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Fool’s Guard |
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Roof Guard |
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Fool’s Guard |
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『上段』の構え時 ( |
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Thrust |
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『聖なる』構え時 ( |
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Holy Whip |
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Holy Spear |
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『屋根』の構え時 ( |
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Big Chop |
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Fool’s Guard |
『愚者』の構えへ移行 |
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『愚者』の構え時 ( |
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Scissors |
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共通コマンド | |||
Autoblock |
攻撃しないでいる |
攻撃しないでいる |
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Taunt |
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Grab |
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Push |
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名称 | 概要 | コマンド | |
---|---|---|---|
左足が前 | 右足が前 | ||
通常時 | |||
Combo 1 |
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Combo 2 |
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Combo 3 |
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Combo 4 |
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Repeater |
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To Back up |
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Up and Thrust |
切り上げ中に突きに変化 |
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Top Repeater |
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Sidestep Combo 1 |
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Sidestep Combo 2 |
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Backing Combo 1 |
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||
Backing Combo 2 |
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Kee Stab |
膝狙いの突き |
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|
Leg Swipe |
下段狙いの払い |
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|
Doubledown |
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Up and Down |
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||
Mower |
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Spearhead |
2撃目は突き |
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Sidestep Combo 3 |
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||
Sidestep Combo 4 |
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||
Sidestep Combo 5 |
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||
Go Around |
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ロングガード時 - スペース or LT 押しっぱなし | |||
Trust |
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Roof Guard |
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Fool’s Guard |
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Roof Guard |
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Fool’s Guard |
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『上段』の構え時 ( |
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Thrust |
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『聖なる』構え時 ( |
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Holy Whip |
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Holy Spear |
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『屋根』の構え時 ( |
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Big Chop |
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Fool’s Guard |
『愚者』の構えへ移行 |
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『愚者』の構え時 ( |
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Scissors |
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共通コマンド | |||
Autoblock |
攻撃しないでいる |
攻撃しないでいる |
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Taunt |
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Grab |
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Push |
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歴史的背景
酔っ払ってでたらめに剣を振り回しているように見えるが, 実は歴とした剣術に則した動きになっている. 開発者によれば, Peter von Danzig の武術書の絵を参考にしているらしい.1

なお, ヨーロッパで神父が武器を持つことは珍しいことでもない. 領地を継げない貴族の次男, 三男は生きていくために傭兵隊長, 聖職者と職を点々とすることも多かった (どちらも高等教育を受ける必要があり, こういう出自の人間がなることが多かった). また Johannes Lecküchner は生涯を通じて聖職者であったことが記録からはっきりと分かっている一方で, Kunst des Messerfechtens という有名な武術書の著者としても知られる. 17世紀になっても長剣術は学生のレジャーとして存続していた. 当時のドイツで競技としての剣術に興じる市民の姿の銅版画が現存しており, このゲームのステージの1つも, その絵が元ネタになっている. しかし, 実戦でまだ長剣を使いを続けている人間がいたのかは不明である.
掴み技の動きが Durchlauchen と似ている.
参考文献
脚注
Danzig の書といえば, 15世紀半ばに書かれた写本が最古であるが,これには絵はほとんどないのでおそらく実際には16世紀前半に書かれたゴリアテの武術書 (MS Germ.Quart.2020) を参考にしていると思われる. ちなみこの武術書の現存する個体はポーランド国内にある.↩︎